不動産関係の国家資格を紹介します。
不動産関係の資格試験といえば一番メジャーなのはやはり宅地建物取引主任者資格試験でしょう。難易度は合格率18%前後で決してやさしい試験ではありませんが合格できない資格ではありません。
この宅地建物取引主任者試験は、毎年約17万人が受験する人気の国家資格です。その人気の秘密は、社会的ニーズの高さ・活用範囲の広さにあります。とりわけ不動産の取引、いわゆる不動産売買・仲介の際には、宅建主任者が「重要事項説明書の交付とその説明」「契約書への記名・押印」という2つの独占業務を行い、しかも不動産取引を行う業者(宅建業者)の事務所ごと従業員5人に1人の割合で専任の宅建主任者を置かなければならないと法律で定められていることから、その重要性は明らかです。
また、不動産取引に限らずその関連業務の中でも宅建の知識が求められるため、「不動産の必須資格」ともいわれています。建設業界はもちろんのこと、不動産を担保として顧客に融資を行う銀行などの金融機関にとってもこの資格は不可欠です。そのほか、一般企業の不動産関連セクション、小売業などの店舗開発業務にも実務上その知識が必要とされ、合格一時金や資格手当を支給している企業もみられます。一方で、プライベートでの一戸建てやマンション購入時の知識として、法律系の他資格へのステップアップの第一歩として、自己啓発としてなど幅広い活用範囲が期待できる資格です。
宅建に簡単に合格できてしまう、勉強法があるとしたらあなたは知りたくないですか?
●マンション管理士とは?
マンションの所有者で構成される管理組合や個々の居住者に対して、管理組合の運営や管理もしくは居住上のトラブルについて、専門的観点からの適切な助言や指導等を行うことを期待されています。いわば、マンション専門のコンサルタントです。例えば、今後増加が見込まれるマンションの老朽化に伴う長期修繕計画の整備、居住者の管理費の滞納、そして、居住者同士のペット問題や騒音など諸問題に助言や指導等を行っていきます。合格率は平成18年度で8.3%でした。
●管理業務主任者とは?
マンション管理組合の管理事務を請け負う「管理業者」の事務所ごとに従業員の中30組合に1人以上の管理業務主任者を置くことが義務づけられ、管理事務の受託に関する重要事項の説明や契約書の交付などの業務を行います。また、管理業者は国土交通省に「マンション管理業者登録簿」への登録が義務づけられます。このあたりは、「宅建業者」と「宅建取引主任者」の関係をイメージするとよいでしょう。合格率は平成18年度で20.2%でした。
両方の資格も合格できない資格ではありません。
不動産関係の最高峰の資格といえば不動産鑑定士です。この不動産鑑定士試験は、1回2段階の選抜方式で行われます。最初に受験する短答式試験は、受験資格が平成18年度より撤廃され、誰でも受験できるようになりました。これは、幅広い業界・世代の方に不動産鑑定業界に興味をもってもらい、活躍してほしいという考え方から取り入れられたものです。また、短答式試験については、一度合格すると最高3回まで論文式試験にチャレンジが出来るようになっています。
不動産鑑定士の合格率は平成19年度で短答式試験24% 論文式試験10.3%で大変狭き門です。短答式試験については宅地建物取引主任者資格試験とだぶる科目がかなりありますが難易度はかなり違ってきます。また短答式試験をめでたく合格できても超難解の論文試験が待っています。
ただ暗記することが好きな方や得意な方は、合格できるかも知れません。約200ページほどの不動産の鑑定評価に関する理論をただただ暗記する勉強となります。人生をかけて受験してください。それぐらい価値ある資格です。